こんにちは、棚田です。
「あなたは、もしも人生をやり直せるなら、どんな人生を生きたいですか?」
「今までの人生を振り返って、唯一後悔していることはなんですか?」
人は誰しも心身ともに健康で、幸せな人生を生きたいと思っています。
私もその一人です。
しかしながら、私たち人間は、心の中では「健康で幸せになりたい」と願いながらも、実際には自分の意志では思うようにならない現実の問題に苦しめられることがあります。
その大きな原因の一つが、トラウマです。
トラウマを抱えたままの状態にいると、自分を幸せにする生き方を選択するのが困難になります。
個人の力ではどうしようもないような圧倒されるほどの衝撃的な出来事を「トラウマ」と呼びますが、これを読んでいるあなたは、「トラウマ」と聞くと具体的にどのようなものをイメージしますか?
例えば、戦争、自然災害、交通事故、犯罪等に巻き込まれることは、典型的なトラウマです。
そうしたトラウマを経験して精神的な傷を負ったとき、その後、適切なケアがなされないと、心や身体に様々な問題(後遺症)が残る場合があります。
それが、いわゆる「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」と呼ばれるものです。
PTSDの症状には、以下のようなものがあります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状
【再体験】
・ フラッシュバック
・ トラウマ体験(出来事)を何度も思い出す
・ トラウマ体験に関連した悪夢を繰り返し見る
【回避】
・ トラウマに関連する物や人、話題、場所、日時等を避ける
・ 感情を生き生きと(リアルに)感じられない
・ (根拠なく)未来がない感じ
【過覚醒】
・ イライラ、怒りっぽい、キレやすい
・ じっとしていられない
・ 過度の警戒心
・ びっくりしやすい
・ 驚き方が過剰
・ 集中力低下
・ 不眠
【解離症状】
・ 現実感がない
・ ぼ~っとしている
・ 記憶がない
・ 気が付いたらリストカット、過食、万引き等をしていた
【気分の変調や障害】
・ 気分の変動が激しい
・ 苛立ちや激しい怒り、キレるような怒り方
・ 夜になると不安になる
・ 誰かと一緒じゃないと一人だと不安になる
・ 自己嫌悪
・ 空虚感
・ 憂鬱な気分、抑うつ症状
【自己否定感】
・ 否定的な自己像
・ 自分の感じ方を肯定できない、おかしいと思う
【記憶の想起困難】
・ トラウマ体験の出来事に蓋をして思い出せない
・ 過去のある時期(例えば、子供の頃)の記憶がない
こうした症状に悩まされている場合、原因として未解決のトラウマを抱えていることが疑われます。
しかし、「私は上記のようなPTSDの症状に苦しめられてはいるけれども、戦争や自然災害、交通事故、犯罪等に巻き込まれた経験はありません」という方も多いのではないでしょうか?
実は、トラウマ(PTSD)にはいくつかの種類があります。
戦争や自然災害、交通事故、犯罪等のように、大きな災害や事故の後に心の傷として残るものを「単純性トラウマ(PTSD)」と呼びます。
簡単に言うと、「一回きりの大きな出来事によるトラウマ」が「単純性トラウマ」です。
一方、「複数回にわたって繰り返されたり、一定期間の継続して経験されるトラウマ」のことを「複雑性トラウマ」と呼びます。
例えば、複雑性トラウマには以下のようなものがあります。
複雑性トラウマ(PTSD)の例
・ 幼少期に親、あるいは祖父母からDVを受けていた
・ 幼少期に両親から厳しく育てられた
・ 両親がケンカばかりをしていた
・ いつも親の愚痴を聞いて育った
・ 両親が不仲でその間に自分が入っていた
・ 兄弟・姉妹間で扱いに差を感じた
・ 両親から全く相手にされていなかった(ネグレクト)
・ 両親の離婚、新しい義理の親や義理の兄弟との関連で問題があった
・ 家族や他人から性的暴行を受けた
・ 学校で度々いじめにあっていた
・ 先生から一方的に怒られていた
・ 信頼していた友人に裏切られた
・ 恋人からのDVやハラスメント
・ 恋人や元配偶者とひどい別れ方をした
複雑性トラウマを受けた場合も、単純性トラウマの場合と同様のPTSDの症状が現れます。
身近な例を挙げると、「人が怖くなる」「自己否定感が強くなる」「感情が感じられなくなる」「この世が信じられなくなる」等の問題が現れます。
また、似たようなトラウマを経験していても、身近な人の支えがない場合には、障害が残りやすい(病気になりやすい)ことがわかっています。
さらに近年は、複雑性トラウマとの関連で、「発達性トラウマ」ということが言われています。
「発達性トラウマ」とは、「小さい子どもの頃に、継続して、かつ、反復的に深刻な暴力を受けたり、目撃した」「親の離婚等によって、親が変わったり、ネグレクト(育児放棄)を受けた」等のトラウマです。
簡単に言うと、「子どもの頃、安全・安心を欠いた悪い生育環境で育った」「育った環境がずっと辛かった」というトラウマです。
いわゆる“アダルトチルドレン(機能不全家族)”の問題も、発達性トラウマの範疇に含まれます。
発達性トラウマの心の傷が解消されないまま大人になると、心や身体にさまざまな症状が現れますが、おそらくもっとも典型的な悩みは、「他人とうまく関われない」ことです。
発達性トラウマを抱えている人は、他人と自分とを分ける境界線に問題を抱えていることが多く、「互いに相手の境界線を容易に踏み越えて他人と共依存状態になりやすい」、あるいは逆に、「鉄壁の境界線で周囲の人間を自分から遠ざけ、誰とも親密な関係を持つことができない」のような人間関係の問題を繰り返し経験します。
ここまでのところで、多くの人が人生で抱えている生きづらさのほとんどが、発達性(複雑性)トラウマに起因するものであることが理解できたのではないでしょうか?
すると、「じゃあ、私が子どもの頃から何十年間もずっと抱えている生きづらさから解放されるためには、発達性(複雑性)トラウマを解消すればよいのですね」ということになるのですが、ここで一つの難題が持ち上がります。
それは何かというと、「発達性(複雑性)トラウマの原因(原体験)をピンポイントで特定し、それをセラピーで直接的に扱うことは非常に困難(不可能)である」という点です。
その理由はいくつかあって、
・ ベッセル・ヴァン・デア・コークらの発見によると、トラウマ体験の記憶を構成するイメージや身体感覚、感情、音声等の要素は、断片化された状態で脳内に蓄えられているために、出来事の記憶を一貫性のあるストーリーとして思い出して人に説明することは困難、または、不可能である。
・ とりわけ、脳の長期記憶を司る部位が機能し始め、言語を獲得する年齢である2歳頃よりも以前に経験したトラウマの場合、なお一層、出来事を思い出すことができない。例えば、赤ちゃんの時に受けた身体的な虐待やネグレクト、母親の産後うつ状態による不十分な育児等は記憶がない。
・ たとえ2歳以降の出来事であったとしても、「育った環境がずっとトラウマだった」という発達性トラウマの場合、子どもの頃に家族内で経験した複数のトラウマ体験が複雑に絡み合って大人である現在の複数の症状に影響しているため、原因(トラウマ体験)と結果(PTSDの症状)との間に1:1のシンプルな因果関係を見出すことは不可能であり、誤りでもある。
・ さらに、受けたトラウマが「子どもの頃に継続して性的な虐待を受けていた」といったものである場合、たとえ明確な記憶があったとしても、相手が精神科医や心理セラピストであったとしても他人に自分の経験したトラウマについて話すことは非常にハードルが高い(恥の感覚)。
あと、大きなトラウマを心理セラピーで扱う上での技術的な注意点として、クライアントの防衛(抑圧、解離)が強いために、「全く感情や身体感覚を感じられない」か、「少しでも蓋を開けると、一気に感情が噴き出す」のどちらか極端になりやすいことがあります。
こうした様々な課題や問題を上手にクリアーした上でないと、発達性トラウマ(複雑性トラウマ)をうまく解消することは難しいのです。
アダルトチルドレン(機能不全家庭)の悩みや生きづらさを解消するのに手こずる場合が多いのは、アダルトチルドレン(機能不全家族)が本質的に発達性トラウマ(複雑性トラウマ)の問題だからです。
なので、普通のカウンセリングをただコツコツと地道に続けているだけでは、アダルトチルドレン(機能不全家族)の問題を効果的、効率的に解消することは難しいのです。
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では、また!
棚田
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