最愛の父の自殺とアトピー性皮膚炎とウェディングドレス

Uncategorized Jan 24, 2021

 

 

こんにちは、棚田です。

 

Aさん(34歳:女性)は、手の届かない男性ばかりを好きになり、決して成就することのない愛を繰り返しています。

 

Aさん自身、その原因が彼女が小学生の時に最愛の父親が自殺した喪失体験のショックに起因するものであることを頭では理解しています。

 

さらにAさんは、アトピー性皮膚炎を患っており、叶わぬ男女関係が失敗に終わった直後、アトピーの皮膚の炎症や痒みの症状が発作のようにひどくなることも自覚しています。

 

セラピーの最中に父親のことに話がおよぶと、Aさんは左手の肘の内側の辺りにある瘡蓋(かさぶた)を右の手で強くボリボリと引っ掻きはじめました。

 

それを見た私は、Aさんに提案をしてみました。

 

(棚田)「試しに、私の手をお父さんの手だと思って、どんな感じがするか、触れてみませんか?」

 

最初は私の手に触れることを躊躇していたAさんですが、しばらくすると、両手で私の手を握り、静かに目を閉じました。

 

すると、Aさんの目から涙がこぼれ落ちました。

 

(Aさん)「誰も父を助けてあげられなかったし、父の苦しみをわかってあげられなかった。恋愛がうまく行かないのも、アトピーが治らないのも、父が経験した苦しみに比べたら何でもない」

 

そうAさんは話してくれました。

 

さらに続けていると、Aさんが急に私の手を強く握りしめました。

 

何かの情景を思い浮かべているようでした。

 

(棚田)「今、何が起きていますか?」

 

(Aさん)「子どもの頃、家族で近所のお祭りに遊びに行ったとき、景色が良く見えるようにと父が私に肩車をしてくれたのを思い出しました。でも、私は高いのが怖くて、父親の髪の毛を思いっきり強くつかんだら、父が『イタタタ・・・』ってなったんです(笑)」

 

Aさんは笑顔で涙を流しつつ、とても幸せそうな顔をしていました。

 

その様子を見計らって、私はAさんに伝えました。

 

(棚田)「Aさん、これから私が言うセリフを、私の後に続いて言って、お父さんに伝えて下さい」

 

(Aさん)「はい」

 

(棚田)「大好きなお父さん・・・」

 

(Aさん)「大好きなお父さん・・・」

 

(棚田)「あなたはわたしにとって、世界で一番のお父さんです」

 

(Aさん)「あなたはわたしにとって、世界で一番のお父さんです(号泣)」

 

(棚田)「私の心の中にお父さんの居場所はあります」

 

(Aさん)「私の心の中にお父さんの居場所はあります」

 

(棚田)「私もこの世で自分に与えられた寿命を全うしたら、お父さんのところへ行きます」

 

(Aさん)「私もこの世で自分に与えられた寿命を全うしたら、お父さんのところへ行きます」

 

(棚田)「それまでの間、私はこちらの世界にとどまります」

 

(Aさん)「それまでの間、私はこちらの世界にとどまります」

 

(棚田)「そして・・・」

 

(Aさん)「そして・・・」

 

(棚田)「私が勇気を出して、他の男性の愛を受け入れるとき、笑顔で祝福して下さい」

 

(Aさん)「私が勇気を出して、他の男性の愛を受け入れるとき、笑顔で祝福して下さい」

 

(後略)

 

 

その間、わずかな時間の出来事でしたが、誰の目から見ても明らかなほど、Aさんの皮膚の色が目まぐるしく変化する様子を見てとることができました。

 

セッションを終えて・・・

 

(棚田)「表情とか、雰囲気が軽い感じになりましたね。今、自分ではどんな感じですか?」

 

(Aさん)「はい。何か変なんですけど、私、結婚したくなってきました」

 

(棚田)「どうしてそう思ったの?」

 

(Aさん)「私、アトピーがひどいから、人前でウエディングドレスを着るのが嫌だったんです。でも、なんだか大丈夫な気がしてきました」

 

(棚田)「もう相手はいるの?」

 

(Aさん)「いや、これからです(笑)」

 

(棚田)「じゃ、がんばってね。披露宴に呼んでください」

 

(Aさん)「はい!(笑)」

 

 

Aさんの悩みの真因(根本原因)は、Aさんが小学生の頃にAさんの父親が自殺したという出来事そのものではありません。

 

過去に経験したトラウマティックな出来事によって苦しみを抱えている人は多いですが、出来事そのものが悩みや問題の真因(本当の原因)になることはありません。

 

Aさんの場合、もしAさんにとってAさんの父親がどうでもいい人だったとしたら、Aさんが父親の自殺でそこまで苦しむことはなかったでしょう。

 

Aさんの悩みの真因は、「Aさんの父親に対する深い愛」です。

 

そして、Aさんを苦しみから救ったのも、同じく、「Aさんの父親に対する深い愛」です。

 

「苦しみをもたらす愛」と「癒しをもたらす愛」、どちらも「愛」であることには変わりがないのです。

 

ビリーフチェンジについてもっと詳しくお知りになりたい方に向けて、オンライン会場、東京会場、大阪会場で「非公開セミナー&説明会」を開催中です。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓

http://lead-pro1.com/launch/belief-change2/value/

 

棚田克彦

Close

E-book『心理セラピストに頼らなくても自分一人で悩みの原因を正しく特定できるセルフセラピーガイドブック(トラウマ自己診断チェックリスト付き)』(PDF264ページ)を無料プレゼントいたします。

下記のフォームにメールアドレスを入力して、ボタンを押してください。